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写真という、目のつけどころ~iPod Photo

iPod Photo発表のニュースは、妻からのメールで知りました。
彼女は海外出張中の私が見つけると同時に買ってくるのではないかと心配していたようでしたが、恥ずかしながら、私はこの商品の”新しさ”がすぐには理解できませんでした。

ちょうど出張前に、デジタルカメラで撮影する大量のデータを保存するためのフォトストレージを買おうかと迷っていたところだったので、私にはiPodがストレージとしても使えるのか、という程度の理解をしました。
そう捉えると、CFカードリーダーは別に用意しなくちゃならないし、あの小さな画面では鑑賞どころではないから、使えたモンじゃない。それが最初の感想でした。iPodにちょっと面白いおまけが付いたモノ、という程度の理解です。

さて、私はその1ヶ月ほど前に、こんなエントリを書いていたばかりでした。PDAが大きなメモリ容量(もしくは常時高速のネット接続環境)を手に入れれば、自分自身の日常を記録し、振り返るためのツールになる、という内容。
考えてみれば、私たちが日常的に自分の歴史を振り返るために眺めるモノ、それが過去に撮影した写真であることにすぐに気がつかなかった私は、かなりの大馬鹿者というべきでしょう。しかも写真が趣味なのに。
もうひとつは、私の決して社交的ではない正確を反映して、自分自身の記録を見返す主体をあくまでも自分と捉えており、他人と共有するという視点を欠いていました。
それゆえ、iPodと写真という組み合わせから、すぐに自分の写真を全て保存して、いつでも人に見せられる、というシーンに思い至らなかったのです。

私は今回の海外出張の中で、ガーデニングが趣味というかたのお宅に二日間お世話になりました。私の両親も同様に庭いじりが好きなので、その写真をPCに納めて持参したのですが、これは実用的な方法とはいえませんでした。
ノートPCの小さな画面で写真を見せるには、全員が同じ方向にかたまらなければなりませんし、ちょっと角度がずれると写真の色合いは違って見えます(実はそのくらいは最初からわかっていたのですが、写真をセレクトしてプリントしていく暇がなかったのでした)。
デジタル写真をテレビに映し出すことさえできれば、大勢で眺めるのも簡単ですし、見ながらの会話も弾んだことでしょう。

もちろん、数千枚もの写真をiPodに詰め込んだからといって、その全てを順番に人に見せるなんてことはしません。見せられる方も良い迷惑です。
しかし、写真というのは会話の中でちょっと見られれば弾みにもなるものです。”あ、こんな話になるんだったらあのときの写真を持ってくれば良かった”という場面はけっこう多いもの。「デジモノに埋もれる日々」のCKさんは「不意打ちなシチュエーションに応える情報タンク」という表現をされています。
iPodのもつ最大60GBというストレージ容量があれば、”そのうちに見るかもしれない”程度の写真を収納しておくことが可能です(その意味では、新型Zaurusの4GBという容量は、使うものだけを一時的に置いておけるだけ、ということになります。量的な差が質的な差を産み出している典型といえるでしょう)。

アップル社は携帯ビデオプレーヤという方向には懐疑的なのだそうですが、それは技術的な問題や著作権の問題以前に、コミュニケーションの素材としての有用性が、現状ではビデオよりも圧倒的に写真にあるという視点によるものなのかもしれません。
本体で全てを解決するのではなく、テレビというインフラを活用し、それを前提にデータを間引いてより多くの写真を格納できるようにする。アップルという会社のすごさは、こうした極めて先進的でありながら、しっかりと手の届くソリューションを形にする力なのだと、思い知らされます。

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