スケジュールを公開するということ
「常にシンクロしているということ」に「AmoebaE」の石原さんからトラックバックをいただきました。ちょっと間がいてしまったのですが、ご紹介いただいた「ScheduleLayer」の考え方を消化するのにちょっと手間取ってしまったのと、「AmoebaE」でのエントリやコメントをいくつか追いかけながら頭を整理していました。
私自身の「常にシンクロしている」イメージは、私が私自身の時間管理を行うために、PDAや携帯電話、もちろんPCと勤務先のスケジュール管理サーバの情報が自動で、リアルタイムに近くシンクロしていることが望ましい、というものです。これは、今すでにあるソフトウェアと技術だけでも、十分に実現が可能だし、おそらく仕事をする上での時間管理という、かなり広いニーズに応えられるのではないだろうか、と考えているわけです。
ただし、そうまでして事細かに時間管理をしたい、というニーズが本当に広く存在するのかどうか、ちょっと疑問があるのは「スマートフォンもPDA、けれど普及には疑問も」に書いたとおりです。
石原さんの主張される「ScheduleLayer」は、個人が自身のスケジュール管理をするだけでなく、自身が関わりを持つ団体や活動に関するスケジュールをそこに重ね合わせることで、時間管理をより効率よく、しかも勤務先などの組織の制約を受けずに行えることを目指したアイディアと解釈しました。これを特定のプロバイダや特定のソフトウェアに依存して実現するのではなく、共通のオープン技術で実現することで、ユーザー側の自由度を高めようということだと思います。
ここでは、個人のスケジュールを公開することよりも、個人がスケジュールを管理する上で自分の行動計画に影響を与えるファクターを、組織の制約なしに受け取り参照することができることが重視されているように見受けます。
「ScheduleLayer」の考え方は、個人が関わりを持つ組織が勤務先だけではなく、趣味のサークルや週末起業のプロジェクト、あるいは学校や地域社会など多岐にわたることを改めて思い出させてくれます。私もPDAには仕事の予定だけでなく、週末の予定も書き込んでいます(それゆえ、私はPDAのスケジュールをあえて会社のスケジュール管理サーバとはシンクロさせずに、別管理しています、詳細は別weblogのエントリをどうぞ)。
単純な例ではありますが、たとえば良く行くシネマコンプレックスの上映予定表やレストランの予約状況などを自分のスケジュールと重ね合わせて表示できれば、週末の行動計画はかなり楽になるだろうな、と思います。
とはいえ、ここで難しいのは、「では、自分自身のスケジュールを誰に、どこまで公開するのか」という選択と決断を迫られるということです。
勤務先でスケジュール管理が導入された直後、多くの社員がきちんと入力をしませんでした。使い方がわからないという理由だけでなく、これまでスケジュールを他人に公開するという必要もメリットも感じてこなかったかたが、自身の行動予定を社員全員に見られるようにする、というのには抵抗もあったようです。公開されているスケジュールに空き時間があれば、他の社員は会議や来客の予定を入れてもかまわない、という運用を全社で行ったので、比較的短期間で浸透しました。
これによって大きく変わったのは、もちろん関係者のスケジュール調整の手間が大幅に省けたことです。自分のスケジュールを公開することは、他者のスケジュールを閲覧し、必要に応じて空き時間を自分のために予約することができるという大きなメリットにつながったわけです。
さて、これが勤務先以外の組織や団体との間でも可能になったとしたら、確かに便利になるだろうと思います。しかし、メンバー個人のスケジュールが一切公開されなければ、便利な度合いは大きくスポイルされるように思われます。となると、これまでは「仕事とプライベート」という二つのレイヤーで済んでいたスケジュール管理が、より多くの階層に分かれ、それぞれに管理ポリシーが必要になります。
会社には教えないけど社内の遊び仲間には伝えたいこと、特定のメーリングリストメンバーにだけ公開したい予定、子供が通う学校のPTA関係者にだけ伝えたいこと...情報管理の階層は極めて多岐にわたるでしょう。
これをきちんと考え、マネジメントする自信は、私にはありません。「仕事とプライベート」「公開と非公開」、私には、今のところこの二つのレイヤーで十分なのです。
私が、「ScheduleLayer」の考え方をきちんと消化できていないのだろうと思いますが、自分の便宜のために他のスケジュールを閲覧する一方で、自分のスケジュールを公開しない、というポリシーはどこかで限界に突き当たるように思われます。むしろ、スケジュールは公開することによって、意味が出てくる。
もちろん、個人のスケジュールを世界中に何の制約もなく公開するなどということは考えられませんが、その公開基準をマネジメントし、実際に運用するノウハウも経験も、そしてツールも、まだ私たちは持ちあわせてはいないように思います。


Comments
nice site platform
Posted by: wenApego | 2009.12.16 at 02:19